FFⅩⅤ→FFⅦ

 

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Photo by kiwi thompson on Unsplash

 

廃墟の奥深くに沈んだ廃村の奥から生まれたようなエメラルドの光が霧状に地上へと吹き出しているのを見た。他には誰もいない。自分一人で始めた冒険は、いつの間にか超えてはいけない柵を跨いでしまっていた。

 

後退りをすれば、背後から後退するのを待っている狼が早く肉を喰らいたいと唸っているのが聞こえる。こんなことならクラスメートの言葉に従い、みんなでフットサルに出かけていればよかった。何を血迷ったのかドラマの中で身につけた中身のない正義感と、枯れ葉を踏む度にましてゆく神聖な空気が、クラスの友達も知らないことを知ろうとする背徳感に拍車をかけた。

 

そうして始まった冒険ではあったが、選択は間違いだったらしい。
風で折れたであろう木の枝を持って、吹き荒ぶ風の間を進んで以来私はそこから出られなくなってしまった。

 

私は今、仕事をしながら足りない帳簿の数字を眺め、どうしてこの生き方にしたのか、と頭を抱えることが少なくない。辛抱強く生きろと世間は言う。けど、辛抱にも限界がある。体中の細胞が一つ一つ苦渋の粉を受粉しながら、頑張れと言葉を残して去ってゆく。

 

咲かない花は、いつまで持ち堪えられるのか。

 

苦しみながら新しいものを探して、より良いものへと改善し続けてゆく。
今度『ファイナルファンタジーⅦ』のリメイクがでるらしい。

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FFⅩⅤは少し、しんどくなるものがあった。

 

深く沈んだ井戸の中、土砂がついたブロックの隙間からその光は漏れている。しかしそれだけだ。誰もいない廃墟の奥で、一人迎えを待っている。助けてくれ、と何度か小さく呟いた。